研究課題/領域番号 |
14406013
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 桂子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00211433)
|
研究分担者 |
梅崎 昌裕 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30292725)
|
キーワード | ラオス / タイ / ベトナム / 健康プロフィール / 世帯調査 / 健康決定要因 / 地域健康指標 |
研究概要 |
本研究の目的は、インドシナ半島における国境を結ぶ陸路交通路の整備が、住民の生活様式の変化と、結核ならびにその他の感染症罹患リスクの増大にもたらす影響を明らかにすることである。本年度は、(1)ビェンチャン市1497世帯調査に基づく健康プロフィールの分析、(2)チャンパサック県のベースラインデータ分析、(3)フエ市の疾病統計調査を実施した。さらに、(4)インドシナ半島諸地域の地域健康プロフィール構築にあたり、生活環境の変動の影響を最も受けやすい子どもの栄養状態と疾病罹患状況の総合的評価手法を検討した。出生から5歳までの健康状態を反映する皮質骨超音波伝播速度により指標化する方法を検討し、フィールドで簡便に計測可能なシステムを開発し測定精度を検討した。以下の結果を得た。(a)ビェンチャン市17村落の健康プロフィール解析により12〜66ヶ月の子どものunderweightと衛生環境指標の相互関連性を示した。(b)ビェンチャン市世帯調査により得た世帯の移動交通手段、農業機械所有、家畜所有、衛生知識、衛生行動、就業経験、衛生設備、電気製品所有のデータに基づき、都市部村落の健康プロフィール指標を作成した。(c)薬物乱用は都市化が進んだ地域に広く確認された。特に、人ならびに物資の運搬を業とする者が多数生活する村落において薬物乱用の確認率が高く、陸路交通路の整備と住民の生活様式の変化が認められた。(d)地域健康プロフィール指標と地理情報に基づき地域健康ニーズを地理情報システムにより分析する手法を示した。(e)地域健康増進活動が住民のヘルスリテラシーを高めることを明らかにした。(f)脛骨皮質および橈骨皮質骨の超音波伝播速度を計測する手法により、CV=0.6%の精度で6歳から10歳の子どもの骨密度の計測が可能であることを確認した。(g)ビエンチャン市、チャンパサック県、フエ市の基礎データを総合的に検討し、インドシナ半島都市部村落の地域健康水準プロフィールを作成する調査票を開発した。
|