研究課題/領域番号 |
14406017
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
柴田 義貞 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40010954)
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研究分担者 |
山下 俊一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30200679)
前田 茂人 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40315247)
本田 純久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90244053)
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キーワード | チェルノブイリ / 甲状腺がん / 乳がん / 低線量率放射線被曝 / 遺伝子異常 / 国際甲状腺組織登録バンク / 国際研究者交流 / ロシア:ベラルーシ:ウクライナ |
研究概要 |
低線量率放射線への長期被曝による人体影響の実態解明を目的として、チェルノブイリ周辺地域居住女性における甲状腺がん・乳がんに関する疫学調査を現地研究機関と共同して行った。 ウクライナ医学アカデミー放射線医学研究所とは、チェルノブイリ原発所在地のプリピャチ市を含む、チェルノブイリ30-km圏内からキエフ市に避難してきた、事故当時15-45歳の女性2409人(I群)と、事故以前からキエフ市に在住していた同年齢の女性1931人(II群)を対象に、乳がんの危険因子に関する面接調査を2003年(I群)、2004年(II群)に実施し、次のような結果を得た。(1)対象者の調査時平均年齢(標準偏差)は、I群は45.6(8.3)歳、II群は46.4(8.3)歳であった。妊娠および出産の平均回数はそれぞれ、I群では3.4(2.0)、1.6(0.8)、II群では3.4(1.9)、1.7(0.7)であった。(2)初潮年齢の平均(標準偏差)は、I群では13.6(1.3)歳、II群では13.6(1.5)歳であった。I群では712人が、II群では717人がそれぞれ閉経しており、閉経年齢の平均は、I群では47.4(4.5)歳、II群では48.5(3.8)歳であった。(3)異常の認められなかった者はI群では59人(2.9%)、II群では71人(3.7%)であった。I群では28人(1.2%)にがん(白血病を含む)の診断がついていた-慢性リンパ性白血病1例、甲状腺がん15例、乳がん2例、子宮がん5例、その他5例。一方、II群では15人(0.8%)にがん(白血病を含む)の診断がついていた-骨髄性白血病2例、甲状腺がん11例、胃がん1例、皮膚がん1例。 甲状腺がんについては、小児甲状腺がん組織を用いて分子生物学的解析を行い、Braf異常頻度が成人に比し低く、この遺伝子異常に対する放射線の影響が否定的であることを示すなどの成果を得た。
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