研究概要 |
本研究は、リウマチ性疾患の遺伝要因の共通性と差違を東アジアで検討する事からこれらの疾患の遺伝背景、病因を解明する事と、サンプル資料の収集を目的とする研究である。本年度は、ソウル大学栄永旭教授、台湾大学余家利教授、チェンマイ大学Louthrenoo教授、マヒドン大学Pattanakitsul助教授等と共同研究について討議し、以下の成果を得た。1)疾患はRA、SSc、Behcet(BD)Werner症候群(WS)とし、チェンマイ大学とはSLEについても検討する。2)患者はRA100、SSc50、BD50,対照100とし、DNA10μgを集める。3)共通臨床カードと最低必要臨床情報を決めた。4)検討する自己抗体を決めた。5)当初研究対象とする遺伝子候補はRA: DR, TNF, CTLA-4,MBP, EST-1,SSc : DR, TNF, CTLA-4,MBP, EST-1、BD: DR, CTLA-4,MBP, EST-1,TLR、Werner's syndrome : WRN内、近傍のSNP等を考える。韓国とはSNPを用いたRAの分析に関して検討を開始した。6)インフォームドコンセントは、各国で各医師が得る事とした。以上よりサンプル収集を開始し、正常人100検体、RA200検体を集め処理を進めている。WSについては、大塚病院後藤先生、獨協大学旗持先生の、PSSについては東大菊地先生、BDについては同川島、蕪木先生の御協力が得られ、サンプル収集を開始した。CTLA4の多型を正常人で検体を増やして検討し、日本人と白人とは頻度に大きな違いがあることがわかった。TNFについても検討中である。ダミーデーターを用いて運用するものではあるが、共同研究用サイトモデルをネット上に開設し今後改良を加えていく。このサイトにリンクする統計プログラムを開発中である。共同研究は概ね順調にすすんでいるが、タイに関しては完全には合意が未だ得られておらず、チェンマイ大学等と再度詳細に協議する予定である。
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