研究課題/領域番号 |
14406022
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小池 健一 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40143979)
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研究分担者 |
上條 岳彦 信州大学, 医学部, 講師 (90262708)
上松 一永 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60262721)
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キーワード | チェルノブイリ原発事故 / 放射性核種 / ^<90>Sr / 小児がん / ベラルーシ共和国 |
研究概要 |
1986年に起きたチェルノブイリ原発事故は隣接するベラルーシ共和国に高度の放射能汚染をもたらした。^<137>Csや^<90>Srなどの放射性核種の半減期は約30年と長く、放射能汚染地域に住む小児は、今もってこれらの放射性核種による被曝を受け続けている。電離放射線により誘発されるがんは、DNA損傷によるがん抑制遺伝子の不活性化と、染色体の切断とその後のDNAの転座や増幅などにより生ずるがん遺伝子の活性化により発症すると考えられている。 本研究では、小児がんの発症率、原発部位、病理組織像、転移や生存率などの臨床所見に関する調査を行い、事故後に発症した小児がんの生物学的特性を明らかにする。このため、現地を訪れ、研究計画などについて話し合った。その結果、1986年以降に発生した骨肉腫例は約100例となるので、これらの臨床所見とサンプルをベラルーシ小児血液腫瘍センターに集め、液体シンチレーションカウンターを用いて、がん組織における^<90>Srの含有量を測定し、臨床像との関連を検討する準備を現在行っている。また、同時に手術で摘出された骨を放射能汚染地域と非汚染地域から集め、^<90>Srの含有量を比較する研究も平行して行うことになった。p53、p15^<INK4b>、p16^<INK4a>、p14^<ARF>、Rbなどのがん抑制遺伝子の発現異常、欠失、突然変異やメチル化、およびRas遺伝子経路の活性化などを解析するためのプライマーの設定などは整った。
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