研究課題/領域番号 |
14406030
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
小松 かつ子 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (50225570)
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研究分担者 |
服部 征雄 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (40126545)
東田 千尋 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助手 (10272931)
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キーワード | 薬用資源 / 漢薬 / 分子系統学 / 品質評価 / 痴呆 / C型肝炎ウイルス / 国際研究者交流 / モンゴル:中国:タイ |
研究概要 |
1.資源調査 モンゴル東部のドルノド県で黄苓、甘草、麻黄、スフバートル県で黄耆の資源植物の調査を行った。約150点の薬用植物を採集し、同定した。 2.品質評価、薬理作用 (1)遺伝子解析:中国産Ephedra属8種のtrnK遺伝子の塩基配列には5タイプがあることを明らかにし、モンゴル産同属植物の配列をこれと比較した。タイ産Curcuma属のatpB遺伝子は属内で安定であった。 (2)成分研究:モンゴル産Glycyrrhiza uralensisの地下部の主要8成分の含量を検討した。Glycyrrhizin含量は中国産甘草にほぼ匹敵したが、フラバノン類及びカルコン類が低含量であり、また産地間差が大きかった。東部産でglycycoumarin含量が高かった。G.uralensisの種子からsoyasaponin類を単離同定した。タイ産Curcuma longa、C.zedoaria、C.aromaticaに由来する生薬のcurcuminoids3成分の含量を検討した結果、日本産の同種と明らかに異なる成分組成であった。 (3)抗痴呆作用:黄耆及び石菖蒲の水エキスはAmyloid βにより誘発されるラット大脳皮質神経細胞の神経突起萎縮に対し有意な軸索再伸展作用を示し、またアルツハイマーモデルマウスにおいて記憶学習障害改善作用を示した。 (4)駆〓血作用:中国産Curcuma属生薬のアジュバント関節炎に対する作用を検討した。莪朮の基源である3種に抗炎症作用が期待され、特にC.phaeocaulisメタノールエキスは、肢の腫脹と血清中の炎症マーカータンパク質の発現を有意に抑制し、またin vitro実験においてCOX-2活性の抑制作用を有意に示した。 (5)抗HCV作用:タイ伝統薬物189種類のメタノールエキスのHCV RNA依存性RNAポリメラーゼの阻害活性を検討した結果、3種類の薬物が強い活性を示した。
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