研究課題/領域番号 |
14406031
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮本 和久 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (30028849)
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研究分担者 |
永瀬 裕康 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (00252700)
平田 收正 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (30199062)
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キーワード | 超低温保存 / 植物遺伝資源保護 / 薬用植物 / 微細藻類 / ビーズ乾燥法 / 国際研究者交流 / タイ / インドネシア |
研究概要 |
本研究は、急速な環境破壊の進行により熱帯地域において絶滅の危機に瀕している新規医薬品開発原料として有望な薬用植物や微細藻類などの貴重な植物遺伝資源を保護する技術を確立するために、微生物や動物細胞の系統保存などに広く用いられている超低温保存法の開発と普及を目指すものである。 本年度は、研究代表者がタイの国立科学技術開発研究所およびインドネシアの国立産業技術研究所を訪問し、現地の共同研究者と共に新規有用資源の調査を行い、数種の植物および微細藻類を得た。また、さらに広範な熱帯地域への研究展開を図るために、マレーシアにおける現地調査にも着手した。この訪問の際に、現地研究者を対象とした超低温保存の技術講習を実施し、技術の普及を行った。 また、インドネシアの国立産業技術研究所において、熱帯産の植物や微細藻類の遺伝資源保存部門に所属する若手研究者を招聘して、研究代表者らが新たに改良した微細藻類に対する超低温保存法を習得させた。 これらの有用資源の調査および超低温保存技術の普及に向けた活動と共に、これまでの共同研究により熱帯で採取された微細藻類が生産する新規生物活性物質の機能評価を行った。その結果、タイの水田から単離されたラン藻Nostoc spongiaeformeが生産する紫色素nostocine Aに強い抗菌活性および除草剤活性があることを見出した。また、インドネシアで単離されたラン藻Oscillatoria sp.が、強い界面活性作用を有するピンク色素を生産することを見出した。これらの物質は、東南アジアで利用できる環境調和型農薬の開発材料として期待できる。
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