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2002 年度 実績報告書

「他者」の哲学の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510006
研究機関東京大学

研究代表者

今井 知正  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50110284)

研究分担者 門脇 俊介  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90177486)
宮本 久雄  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50157682)
山本 巍  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70012515)
野矢 茂樹  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50198636)
高橋 哲哉  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60171500)
キーワード他者 / 他者性 / 自己同一性 / 物語 / ハーヤー / ヘブライズム / レヴィナス / 存在
研究概要

本年度の研究は、実施計画に従って、研究分担者がそれぞれの専門に当たる多様な哲学思想の遺産の中に、「他者」の「他者性」を思考しなおす積極的な可能性を探究することに重点を置いた。
実際に検討されたのはアリストテレス=トマス的伝統、ヘブライ的伝統、現象学からレヴィナス、デリダなどへ至る他者論の流れ、意識哲学に比して不当に軽視されていた近現代の「公共哲学」における自己-他者関係論の系譜、書語分析による他者論、また近世日本思想における他者問題などである。
今年度の重要な成果の一つとしては、レヴィナスの現象学的倫理学の構造と中心概念に示唆を受けた考究を通して、ヘブライズムの原テクストの中から、「存在」の意味を「他者的脱自的自己同一性」と解釈する「ハーヤー」(hayah)的存在理解を取り出したことである。ハーヤー的「存在」は、ギリシャ的「存在」や近代の自我意識主観(相互主観としての「われわれ」共同体をも含めて)とは異なり、決して完結することのない物語的自己同一性の語り直しという言語行為に応じて顕現する、「不断に自己脱自する未完了態」であり、他者の呼びかけに聴従し応答していく運動を本質とする。このような「存在」のあり方が、特殊ヘブライ的なものであるのか、それとも他の思想伝統にも見られるものなのか、またそれが真に現代の哲学的存在論の行き詰まりを突破しうるものなのかどうかを検証することが、来年度の重要な課題である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 山本巍: "an deus sit"哲学・科学史論叢. 第5号. 1-35 (2003)

  • [文献書誌] 宮本久雄: "ニュッサのグレゴリウス『雅歌講話』(第9〜12講話)"エイコーン. 第26号. 2-20 (2002)

  • [文献書誌] 村田純一: "技術の哲学"科学技術社会論研究. 第1号. 97-103 (2003)

  • [文献書誌] 山脇直司: "グローカル公共哲学の構想"21世紀公共哲学の地平. 1-23 (2002)

  • [文献書誌] 黒住真: "Tokugawa Confucianism and Its Meiji Japan Reconstruction"Rethinking Confucianism : Past and Present in China, Japan, Korea, and Vietnam. 370-396 (2002)

  • [文献書誌] 信原幸弘: "心身問題は不毛か"情況. 第3巻・第6号. 196-206 (2002)

  • [文献書誌] 宮本久雄: "存在の季節"知泉書館. 308 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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