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2004 年度 実績報告書

障害者を位置づけた哲学的人間学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510009
研究機関岐阜大学

研究代表者

竹内 章郎  岐阜大学, 地域科学部, 教授 (60216843)

キーワード生死 / 具体 / 抽象 / 平等 / 差別 / 人間学 / 機会 / 弱者
研究概要

1.(1)人間の生命に関わる事柄、特に生死の決定が社会-文化的にしかありえないことを明らかにし、人間生命の把握を巡って具体的とされることの多い生物学的生命が、実際には抽象の産物でしかないことを提示した。
(2)あわせて、生命把握を巡る具体と抽象の両者の関連の既存の把握の難点を示し、社会-文化と生物-自然との一体化としての現実の生命の把握こそが、障害者等の弱者を真に位置づけた人間の把握には必須であることを、生命の中の社会・文化という把握や「能力の共同性」論や優生思想批判論等々を主張しつつ提示した。
2.(1)研究代表者の既存の平等論及び障害者論の内、障害者の発達保障研究に資する内容として、「能力の共同性」論を示すと共に、現段階での弱者を位置づけた人間学の豊富化には、平等概念を同一性と非同一性との関連という枠組みと、反差別・反抑圧という枠組みの二つから同時に捉える必要があることを論証した。
(2)機会の平等論を、少なくとも、反前近代という意味での他者危害禁止を遵守させて他者の妨害を排する次元での機会、能力主義的差別を温存したままでの経済的また政治的等々の差別禁止という意味の機会均等の次元での機会、更には、個別能力に相応しい成長のためのケアや教育態勢等々を整えるという次元での機会の、三次元で理解し、この理解を種々の社会科学や人文科学において定着させるべきこと論証した。
3.不平等の跋扈という現状をみすえつつ、(1)法[権利]観の問題として社会権[法]と市民権[法]との関連、特に平等論が社会権[法]抜きでは成立しないこと、(2)現代日本の不平等論=「平等」論という構図の問題性や近年北米で盛んな「運-平等主義」などを生かして、平等主義に基づく人間学の端緒を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 平等概念と機会の平等の一考察2005

    • 著者名/発表者名
      竹内章郎
    • 雑誌名

      障害者問題研究 32巻1号

      ページ: 80-85

  • [雑誌論文] 生命を真剣に考える2004

    • 著者名/発表者名
      竹内章郎
    • 雑誌名

      日本の科学者 39巻11号

      ページ: 22-27

  • [図書] いのちの平等論-現代の優生思想に抗して-2005

    • 著者名/発表者名
      竹内章郎
    • 総ページ数
      253
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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