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2002 年度 実績報告書

ライプニッツ認識論の現代的可能性の研究-懐疑主義批判と実在論的探究

研究課題

研究課題/領域番号 14510012
研究機関神戸大学

研究代表者

松田 毅  神戸大学, 文学部, 助教授 (70222304)

キーワードライプニッツ / 認識論 / 懐疑主義 / 実在論 / 心の哲学 / 最適
研究概要

今年度は、ライプニッツの懐疑主義批判とその実在論的研究に関連して、ライプニッツ自身のテキストに即した歴史研究を行うと同時に、現代哲学における懐疑主義と実在論の認識論の問題考察との比較を行った。まず、古代懐疑主義の「アグリッパのトリレンマ」の克服に関連し、ピュロニズムに見られる文ないし主張の真理値と欲求の「無差別」を批判するライプニッツ哲学に内在する「決定論」の局面をその自由論との関わりで考察した成果を、「ライプニッツ自由論の可能性-スピノザとの差異から-」と題して論文発表した。また2002年3月と9月に開催された日仏哲学会の「十七世紀の合理論における理性と真理」の再検討をめぐるシンポジウムでは、「モナドロジックな「心の哲学」の可能性-ライプニッツの反懐疑主義的論証から見た合理性-」と題して依頼発表を行った。ここでは、人格の同一性論をめぐるライプニッツのロック批判と不透明な存在である自己の知識の可能性に関する考察を手がかりに、ライプニッツが、微少表象論と人格に関する三人称的知識の重要性を強調することが、その実在論的態度とプラグマティズム的合理性の一定の承認を帰結させることを示した。さらに、問題となる実在性の概念そのものの解明も意図し、「「最善」の認識可能性-ライプニッツ「弁神論」の方法論あるいは「パングロス主義」?-」と題して、ベールの理性への懐疑主義の批判を含む『弁神論』の方法論に関して、「最適」としての「最善」の認識可能性をめぐる考察を行い、現代の進化論的生物学における制約条件の考え方をライプニッツが持っていた点も示すと同時に、「程度」を含む「完全性」として把握される実在性という独自の概念の解明への手がかりを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 松田 毅: "ライプニッツ自由論の可能性-スピノザとの差異から-"愛知(神戸大学哲学懇話会編). 16号. 2-31 (2003)

  • [文献書誌] 松田 毅: "「最善」の認識可能性-ライプニッツ「弁神論」の方法論あるいは「パングロス主義」?"神戸大学文学部紀要. 30号. 1-35 (2003)

  • [文献書誌] 松田 毅: "モナドロジックな「心の哲学」の可能性-ライプニッツの反懐疑主義的論証から見た合理性-"フランス哲学・思想研究. 8(近刊)(未定). (2003)

  • [文献書誌] 松原仁, 波多野詮余夫(代表): "認知科学辞典"共立出版. 1012 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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