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2004 年度 実績報告書

西洋哲学史における決疑論の成立とその現代的諸問題への応用に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510017
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

藤本 温  名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80332097)

キーワード決疑論 / 良心 / 技術者倫理 / 相反問題 / 線引き問題 / トマス・アクィナス
研究概要

西洋哲学史においてあらわれた決疑論(casuistry)という手法の、現代倫理学への応用に関する基礎研究の一環として、平成16年度も「歴史的研究」と「現代への応用」という二つの視点から、口頭発表ならびに論文発表を行った。
「歴史的研究」としては、平成16年10月開催の日本中世哲学会において「トマス・アクィナスと決疑論的思考について」という研究発表を行った。同発表では、決疑論的思考の先駆者としてトマス・アクィナスの立場を、特に良心(conscientia)の適用(applicatio)という視点から考察して、その方法の現代的意義と、賢慮という徳の公共的理解の必要性を提案した。この発表は、同名の題で、現在『中世思想研究』に投稿中である。
「現代への応用」としては、平成16年6月に関西大学において開催された第8回関西工学倫理研究会において、「決疑論と技術者倫理」という口頭発表を行った。この発表では、決疑論を線引き問題として理解する最近の傾向に対して、決疑論の元来の主要な問題は相反問題(conflict issues)であったことを示して、決疑論の技術者倫理への応用の可能性について考察した。同発表を改稿して、同名の論文が『技術倫理研究』創刊号に掲載された。また、平成16年11月に『粉体と工業』誌に掲載された論文「倫理と技術者」は、「決疑論」という難解な言葉を使うことなく、技術者倫理における決疑論的思考について、理工学科系の研究者に理解していただくことを意図して書かれた。他に、本研究の一部である、技術者倫理のe-learning教材の作成に関してその経過報告を論文「名古屋工業大学Web Class工学倫理について」(瀬口昌久氏と共著)において行った。さらに、技術者倫理をよりいっそうの普及を願いつつ、平成17年3月に講演「組織と技術者倫理-スペースシャトル・コロンビア号事故調査報告書から-」(日本機械学会東海支部)を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 倫理と技術者2004

    • 著者名/発表者名
      藤本 温
    • 雑誌名

      粉体と工業 36(11)

      ページ: 45-51

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 決疑論と技術者倫理2004

    • 著者名/発表者名
      藤本 温
    • 雑誌名

      技術倫理研究 1

      ページ: 31-51

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 名古屋工業大学Web Class工学倫理について2004

    • 著者名/発表者名
      藤本温, 瀬口昌久
    • 雑誌名

      技術倫理研究 1

      ページ: 3-11

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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