本年度の研究実績はおおむね次の二点である。 1.VisseΣavassyakabhaΣya(以下、VABh)の写本や未収集の刊本をできる限り入手するためにインドを訪れ、何種類かの刊本を収集した。これらと既に収集している刊本を利用し、本文を校合した。その本文を電子化し、合わせて注釈の一部も電子化した。 2.本文の内容を検討し、様々な哲学思想が論じられていることを明らかにした。特にジャイナ教に特有の概念である「流出(samudghata)」をVABhは論じており、他の伝承と比較すると古い形態をたもっていることが判明した。その成果の一部を3月にロンドンで行われた学会にて発表した。
|