研究概要 |
すでに昨年の研究実績報告書において報告した、平成14年10月にルーマニア・アカデミー哲学・心理学研究所において発表した拙論"A History of Religion of the Other"に関する付加事項として、小シンポジウムの形式として、スロヴァキア共和国教会・国家関係研究所の年鑑Rocenka Ustavu pre Vzt'ahy Statu a Cirkva 2002にも再録されたことを報告する("Historia Nabozenstva toho Druheho : Eliadeho Dialogicka Metodologia,"pp.127-135)。なお内容は重複することをお断りしておく。 また邦語論文としては、岩波講座宗教2、池上良正他編『宗教への視座』に、エリアーデ他、数名の宗教研究者の学説を回顧した拙稿「二〇世紀宗教論のさまざまな視座」(282-303頁)を発表した。 なお平成16年4月刊行予定の、ちくま学芸文庫、エリアーデ『シャーマニズム』に解説論文「エリアーデ以前・以後-『シャーマニズム』再読のために-」が掲磯される予定である。 この間、平成15年12月には9日間にわたりパリに滞在し、エリアーデがその学問構築を図っていた1940年代から50年代のパリにおけるエリアーデゆかりの地を訪問するとともに、文献資料を収集した。 1940年代、50年代初頭のエリアーデの宗教学の形成期にかかわる学説史的回顧を企てたことで、さらにそれ以前にさかのぼる、形成前史についての研究の準備が整いつつある。研究を進め、最終年度である平成16年度に、単著(ちくま新書)に研究成果をまとめ、発表する予定になっている。
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