平成15年度、豊川、三河一宮近辺の祭礼の資料収集を中心に行った。 昨年度報告したように豊橋近辺の祭礼で鬼が出てくる事例は現在確認されているだけで19例ある。そのうち豊川市牧野、千両(チギリ)、市場、豊橋市長瀬、三上、安久美神明社、石巻、賀茂地区の祭礼及び三河一宮町、篠田、山長山、足長山などの地域を見学した。しかし、未確認の地域がまだ存在することが伺われており、事例収集のために豊川市、豊橋市在住の友人の強力を仰いでいるところであるが、地域の祭礼というところでなかなか把握できえていないのが実情である。 ところで、この種の鬼の顕れる祭礼が行われている多くが素盞鳴神社と呼ばれている。また夏には祇園祭で手筒花火で賑わうところでもある。そういう視点に立ってみたところ、この祭りは「鬼」の他に山車などという手がかりを見ることができると言える。「鬼」そのものが顕れなくても、鬼に代わるなにものかを追求していけば津島、祇園、牛頭天王の持つ文化圏を考えていく大きな手がかりになるのではなかろうか。そういう意味では東三河から知多半島、伊勢にかけての山車の出る祭りを津島神社を中心にして考え直して行くべきではなかろうかと考えるようになってきた。
|