研究概要 |
研究代表者は本研究のため2度にわたり沖縄本島・宮古島方面に調査を行った。期間は、第1回目は2002年7月31日〜8月27日、第2回目が2003年3月13日〜3月18日である。調査の内容は第一に日本キリスト教団沖縄教区資料室所蔵資料(宜野湾市)や個人所蔵資料(故仲里朝章氏(沖縄キリスト教会・沖縄キリスト教団理事長、沖縄キリスト教短期大学初代学長)御遺族等)、沖縄県立図書館・同宮古分館、沖縄県公文書館等での文献資料調査である。ここでは、沖縄教会・キリスト者が残した公文書・私的文書(書簡、手記・日記等)だけではなく、宣教師・同派遣団体(Interboard Committee for Christian Work In Japan, IBC・沖縄インターボード(OKIB))文書や、琉球列島米国民政府文書の探索・複写を行い、重要な文書についてはテキスト化や翻訳を行っている(これについては後に資料集として公開する予定である)。第二に1950年代に沖縄内外で活躍されており、この時代の沖縄事情や沖縄教会の実態をよく知る人物への聞き取りを行った。これについては、第1回目の調査では、沖縄本島・宮古島で8名(教職者(牧師)7名、信徒1名)に対し延べ20時間あまり、第二回目では沖縄本島で4名(教職者2名、信徒2名)に対して延べ5時間あまり聞き取り調査を行った。この聞き取りについては順次文字興しを行っている。 また、これらの調査・研究の成果を以下の2回、学会・学外研究会で発表した。(1)「米国占領下沖縄における地域と教会-1950年代を中心に-」(第53回キリスト教史学会大会、2002年9月)、(2)「戦後沖縄のキリスト教と地域社会-占領期を生きたキリスト者の語りを中心に-」(キリスト教社会問題研究会、2002年10月)。
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