研究課題
基盤研究(C)
上原は、まず神に関する<景観>(神体山など)の成立を、記紀神話をもとに存在論的に明らかにした。そして古代における都市仏教と山岳仏教の対比をもとに、仏教者が必要とした<景観>(都市・山岳)について考察し、神に関する<景観>との関係を明らかにした。<物語>については、神話・本生譚をめぐって考察を深めた。また、神に関する<景観>の一般的構造を、出雲を含む全国の主な聖地のデータから明らかにしつつある。柏木は、『今昔物語集』諸菩薩・諸天霊験譚および『神道集』物語的縁起を採り上げ、菩薩・天と人々との交わりの成立、人が神への超脱を遂げる契機、仏・菩薩の申し子が有縁の人々を随伴しつつ神として顕れる過程、等を検討し、聖・俗交渉をめぐる古代末期〜中世日本思想の一端について、<物語>との関連における解明を試みた。木村は、<景観>の意味付けの<物語>的表象は、「自然」を五感を通じて認識する人間的身体の位置と言語的特性が「聖なるもの」をどのように経験し、表象するかと密接に関係する問題であることを明らかにしつつある。古代人の空間認識は言語資料を通じてしか分からないが、特定の場における文化的な宗教経験が<物語>的表象の背後にあると考えても良いであろう。その宗教経験とは特定の<景観>の経験を通じて神的出来事を想起し、そこに神の臨在を感じることのできる場と言っても良いであろう。豊澤は、古代日本の<物語>の中世的解釈を基に近世的主体が成立する経緯を明らかにしつつある。その成立の際の、対抗するものとしての仏教と、依拠するものとしての儒学(その「天」「人倫」)という二契機の重要性を考察した。
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平成14-16年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))研究成果報告書
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