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2004 年度 実績報告書

折衷学・考証学の地方的展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510051
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 章則  東北大学, 大学院・文学研究科, 講師 (10187990)

キーワード折衷学 / 考証学 / 書物 / 享受 / 小野隆庵 / 熊阪台州 / 内池永年 / 東北地方
研究概要

本研究は、近世後期における「折衷学」・「考証学」の学統の地方的展開の実態を明らかにするとともに、その学問の基盤である「書物」の入手と享受の意義を思想史的に考察することを目的とするものである。その端緒として平成14・15年度に主として取り上げたのが、現在の福島市近傍に居住した知識人たちであった。当該地域は「徂徠学」派に属しつつも「考証学」への志向を強めた熊阪台州とその弟子「折衷医」小野隆庵の活躍地域であり、彼らの「書物」を比較・考量するという学問的な営為は「地域」の学問環境・思想環境へ影響するところ大であった。
平成16年度の研究は15年度に引き続き、(1)福島県伊達郡桑町(桑折代官所領)と二本松市・郡山市・本宮町(江戸時代の二本松藩領)の学問状況の基礎調査を行い、(2)各種関係資料・文献をの入手と検討を行った。そして、(3)「折衷学・考証学」の他地域での展開を見通すべく、宮城県玉造郡岩出山町(伊達藩領)における学問・文化史料の検証と保存に関わった。(4)資料調査にあっては、上記地域の資料提供先に赴き、既知資料・未見資料の閲読・複写を行い、今後の検証の材料を整備した。また、関連する文献の確保のため、一橋大学附属図書館、福島県立図書館、福島県歴史資料館、宮城県図書館等の図書館に赴いた。
調査の過程で、当該地域にあっては「折衷学・考証学」と既存の「徂徠学」「朱子学」や「国学」や俳諧等が複合的に交差し、地域の個性を示すべく偏差を有する展開をなしていることが明らかになり、また、本年度の調査によって特に代官領における学問的な交流の活発であったことが明確化した。本研究の課題解明のためには地域の思想環境への幅広い調査が必要であることが改めて浮き彫りになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 「媒介」の思想史的意義-思想を「媒介」する「モノ」と「人」-2004

    • 著者名/発表者名
      高橋章則
    • 雑誌名

      日本思想史学 第36号

      ページ: 3-17

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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