• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

16世紀美術の多角的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510076
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

並木 誠士  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50211446)

キーワード狩野派 / 絵巻 / 扇の草子 / 狩野元信 / 釈迦堂縁起 / 詩画軸 / 戦記文学 / 合戦絵巻
研究概要

今年度は、16世紀を中心とする時期、言い換えれば中世から近世にかけての時期の絵画の変化を、つぎの4項目を中心に考察した。それは、(1)詩歌の絵画化に関する中世的表現と近世的表現の相違、(2)近世初期風俗画を生み出す要因となった中世絵画の様相、(3)画面形式の変化とその意味、機能の変化の関係、(4)戦記文学とその絵画化の変遷、である(『中世日本の物語と絵画』収録)。この4つの問題意識は、相互に関連するところも多いが、要約すれば、(1)生活空間の変遷、(2)宗教の庶民化、という、中世から近世への移行期におこった二つの大きな変化に起因すると考えられる。(1)に関しては、床の間の成立、屏風形式の定着といった従来指摘されている点を確認する作業を中心におこなった。(2)に関しては、これまで研究を続けている釈迦堂縁起と真如堂縁起という二点の縁起絵巻を対象として、その構図分析と絵解の関係を論述し、また、参詣曼茶羅と縁起絵巻の関係についても言及した。さらに、鎌倉時代以降の祖師伝絵巻と室町時代の縁起絵巻とを関連づけることにより、中世から近世への移行期における宗教絵画の特質について考えた。また、詩歌の絵画化に関しては、和歌については、16世紀から制作されるようになる「扇の草子」を、漢詩については、15世紀に流行する詩画軸形式の絵画を検討し、それぞれを関連づけることにより、中世末から近世初期にかけての絵画と文学のかかわりを考察した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 並木誠士: "妙顕寺本文殊普賢菩薩像について"デザイン理論 (意匠学会会誌). 42. 33-46 (2003)

  • [文献書誌] 並木誠士: "礒田湖龍斎筆 雪中美人図"國華 (國華社). 1290. 34-35 (2003)

  • [文献書誌] 並木誠士 (共著): "中世日本の物語と文学"放送大学教育振興会. 239 (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi