研究概要 |
今年度は初年度に収集した文献等を通じて基礎情報の収集、整理を行なうとともに、ユダヤ教のモーゼの第二戒、偶像忌避との関連についても文献・情報の収集を引き続き行なった。また、来年度のまとめの年度に向けて、論文発表の準備を進めるとともに、モンドリアンとデザインに関する論考を刊行した。また、関連する活動としては、東方ユダヤ人(アシュケナージ)の偶像忌避に関する研究に欠かせない中東欧モダニズムの研究会を学内外の研究者と何回か行い、研究の地盤を固める作業も始めた。来年度は数ヶ月間ポーランドでの調査を予定しており、研究課題に関連する実証的な調査を進めるための準備や情報収集も行なった。以下に具体的な研究・活動内容を列記する。 文献・情報について:造形作家ではアド・ラインハート、ピート・モンドリアン、バーネット・ニューマン、マーク・ロスコらについて、また、ユダヤ関係では、Richard Cohen, Jewish Icons, Kalman Bland, Artless Jew,らの著作について、その他、美学・哲学関連の文献についても先行研究を消化するとともに、重要事項の整理を行なった。イコノクラスム的性格の強いモンドリアンのデザイン観について論考を発表し、「展覧会」をテーマにした特集を『西洋美術研究』誌で編集した。この特集にもモダンアートの展覧会におけるイコノクラスム的性格に関する論考がいくつか含まれている。(以下の欄参照) 中東欧モダニズムに関するワークショップを学内外の諸芸術・文学研究者らと立ち上げ、数回、研究会や打合せを行なった。また、来年度はポーランドのJerzy Malinowski教授らとともに、東方ユダヤ、ユダヤ系ポーランド人芸術家とモダンアート、モダンアートの国際性、AICA(国際美術批評家連盟)ワルシャワ大会などに関する研究を進める予定にしており、そのための情報収集も行なった。
|