研究課題/領域番号 |
14510086
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研究機関 | 神奈川県立歴史博物館 |
研究代表者 |
嶋村 元宏 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (40261193)
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研究分担者 |
丹治 雄一 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (50342944)
桑山 童奈 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (70332393)
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キーワード | 東海道五十三次 / 浮世絵版画 / 銅版画 / 古写真 / 名所 / 出版 |
研究概要 |
本研究は「名所」が近世期の人々にとっていかに意識されるべき対象であったのか、また「新名所」はどのようにして認知されるのかを浮世絵版画を中心的素材として、美術史及び歴史学の両分野の視点から分析するものである。 具体的には、「名所図会」をはじめとする「名所」を題材とした出版物の相関関係を、版面資料に加え文献資料を分析することにより「名所」が江戸時代の庶民層にとってどのように意識され、また新たに認知されていったかを、供給者である版元及び作者を考慮に入れつつ明らかにする。加えて、幕末開港により「新名所」となった横浜を、主に横浜浮世絵を素材として、どのように「名所」化がなされたかを明らかにすることを課題としている。 本年度は、砂子の里資料館(神奈川県川崎市)、神奈川県立金沢文庫、国立国会図書館が所蔵する「役者立五十三駅」、「東海道五十三次」および横浜浮世絵に代わり、幕末明治期に外国人のお土産用として製作・販売された東海道を中心とする古写真(長崎大学附属図書館所蔵)の調査を中心に実施し、その調査結果をもとにデータベース化を行い、近世から近代に移行するなかでの「名所」意識の変遷を考察するための基礎データの蓄積に努めた。
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