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2002 年度 実績報告書

視覚的対立現象(同化・対比など)における転換に及ぼす認知的把捉の効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510103
研究機関愛知県立芸術大学

研究代表者

後藤 倬男  愛知県立芸術大学, 音楽学部, 教授 (40022355)

キーワード視覚的対立現象の転換機構 / 同化・対比 / ブックレット方式の刺激図形 / 傾斜縞模様図形 / 認知的図形把捉 / 幾何学的錯視 / 大きさの円同化対比錯視(同心円錯視) / 同化と対比への異なる処理機構
研究概要

本年度は、「視覚的対立現象の転換機構」を探るために、この年度の設備備品費で購入された『ディスプレイ』と『パーソナルコンピュータ』によって、明るさの"同化・対比"といった「視覚的対立現象を典型的に示す刺激パターン」を作成し、多様な被験者の見えが測定された。また、同様に設備備品費で購入された『カラーレーザープリンタ』によって、より鮮明な「刺激パターン」の大量印刷が可能となり、一般大学生や美術系大学生に対して、「ブックレット方式の刺激図形」を呈示して、より現実的な場面での多くの観察結果を収集することができた。これらの観察からは、「傾斜縞模様図形」における"同化から対比への変換"に、「"刺激図形と背景との明るさや色彩の変化"が効果を及ぼしていること」が認められ、「刺激パターンに対する"認知的図形把捉"が、図形の背景にも及んでいること」が確かめられた。これらの結果は、これまでの研究とも関連を持っており、「日本色彩学会第33・34回全国大会」において発表されている。
また、「幾何学的錯視」のうち、内外円の直径比の変化によって、内円が過大視(同化)から過小視(対比)に変化する「大きさの円同化対比錯視(同心円錯視)」に注目し、上記の実験と同様に、大量の観察結果を収集した。これらの観察からは、「内円の同化から対比への変換が、内外円の"奥行きの把捉や纏まりの把捉"と特異な関係を持っていること」が見出され、これまでの研究で提起されてきた「同化と対比への異なる処理過程の関与」が示唆された。これらの結果は、日本心理学会第67回大会において発表されることになっている。
さらに、以上の研究経過は、研究代表者が編集委員を務めた『色彩用語事典』(東京大学出版会)の編集業務と、視覚に関する諸項目への執筆において、有用に参照されることとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 後藤倬男: "傾斜縞模様図形における明るさの同時同化・対比におよぼす刺激呈示と構えの効果-美術系大学生の観察についての検討-"日本色彩学会誌(第33回全国大会要旨集). 第26巻. 114-115 (2002)

  • [文献書誌] 後藤倬男: "傾斜縞模様図形における同化・対比の変換過程に関する研究(発表予定)"日本色彩学会誌(第34回全国大会要旨集). 第27巻. (2003)

  • [文献書誌] 後藤倬男: "大きさの円同化対比錯視における「同化と対比の変換過程」についての検討(発表予定)"日本心理学会第67回大会発表論文集. (2003)

  • [文献書誌] 日本色彩学会(編)(後藤倬男:編集委員, 分担執筆): "色彩用語事典"東京大学出版会. 604 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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