1.50歳代.70歳代の「高齢ドライバー」15名にヒアリングを実施し、普段の運転で留意している安全運転のポイント、運転時に困ること、交通環境への要望、可能であれば機械的に支援して欲しいポイント、などについての情報を収集した。(若い頃と比べ)速度を出さないように気をつけている、確認を出来るだけする、などの意識的な行動が多く報告された。最近増えた小さなミスとして、し忘れ(例:ドアを開けたまま車庫入れをした)など、加齢による影響が示唆される問題行動も幾つか報告された。 2.前年度および、実施した、シミュレータ実験のデータ分析を進めた。高齢被験者は、若年被験者に比べ習熟に時間が掛かることが改めて確認された。 3.本年度新たに実施した実車走行実験のデータを「右左折行動」を中心に分析した。ミラーを用いた確認行動に、省略や省エネ的な特徴があることが示唆された。これらの省略行動が「危険」な運転行動なのか、運転に余裕を生み出すための「安全」な運転行動なのかについての検証・考察を進めている。 4.上記実験データの解析の参考となる、高齢運転者の特性、高齢運転者の事故情報などを、新聞記事、論文、資料集などを中心に収集し、簡易データベース化した。 以上の多岐にわたる、データを基に、高齢運転者の「補償的運転行動」の解明を目指した研究の総まとめを進行中である。
|