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2003 年度 実績報告書

日本人の極端な夜型化を招いている主要な原因を科学的に明らかにする

研究課題

研究課題/領域番号 14510119
研究機関福島大学

研究代表者

福田 一彦  福島大学, 教育学部, 助教授 (20192726)

キーワードサーカディアンリズム / 睡眠 / 日本人 / 夜型化
研究概要

思春期に夜型化の生活パターンが進むこと、また、生活パターンの乱れが心身の健康に悪影響を及ぼすことはこれまで、多くの研究により指摘されてきた。生活パターンの夜型化や乱れが何を原因として生じているのかについては明確ではないが事あるごとにテレビやインターネットが槍玉に挙げられてきた。しかし、こうした議論は必ずしも客観的な証拠に基づいて行われているわけではない。そこで、我々は大学生を対象にして、「生活時間」に関する調査を実施した。その結果、「夜型」の大学生のうち、深夜時間帯に「テレビ・ビデオ」などの視聴をしていた者は2割程度(全体の1割弱)に過ぎず、テレビ・ビデオが夜型化の主要因と考えることは難しかった。次に自己相関関数を応用して算出した夜間睡眠の乱れの程度とテレビ・ビデオやインターネットとの関係を調べた。大学入学直後は、友人との「おしゃべり」が、この時期の睡眠の乱れを促す主要な要因であるが、2年生以上になると、入学直後には殆ど関係のなかった「インターネット」の利用が徐々に睡眠の乱れを促す要因として浮かび上がってくることが分かった。しかし、これらの時期を通して「テレビ」の視聴は「睡眠の乱れ」に対して殆ど影響を及ぼしていない。次に、睡眠の乱れと精神健康との関係についてみたところ、大学入学直後では、睡眠の乱れは精神健康と殆ど関係がないが学年進行に伴ってその重要性を増していくことが分かった。さらに、テレビの視聴と生活リズムとの間の「因果」関係に言及するため、テレビの視聴を制限してその効果について検討した。その結果、大学生の就床時刻は早くなったが、同時に起床時刻が後退し、日中の活動量も午前10時頃と午後3時ごろに有意に低下していた。以上から、テレビの視聴は、夜型化の原因とは言いがたく、テレビの視聴制限がむしろ24時間の生体リズムの振幅低下につながる可能性を示唆する結果であった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Asaoka, S., Fukuda, K.: "The effects of sleep-Wake pattern and social interactions on mental health of university students"SLEEP. 26巻suppl号. A104-A105 (2003)

  • [文献書誌] Fukuda, K.: "Forced long daytime nap delays bedtime in nursery school children and their delayed nighttime sleep pattern persists during early elementary school period"SLEEP. 26巻Suppl号. A127-A128 (2003)

  • [文献書誌] Asaoka, S., Fukuda, K., Yamazaki, S.: "The relationship between sleep-Wake pattern and mental functioning in university students"時間生物学. 9巻2号. 86 (2003)

  • [文献書誌] Fukuda, K., Asaoka, S.: "Daytime nap delays bedtime in nursery school children and their delayed night sleep pattern lasts during early elementary school period"時間生物学. 9巻2号. 161 (2003)

  • [文献書誌] Fukuda, K., Asaoka, S.: "Delayed bedtime of nursery school children, caused by the obligatory nap, lasts during elementary school period'"Sleep and Biological Rhythms. 2巻2号(掲載受理). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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