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2004 年度 実績報告書

記憶高進と忘却に関する生涯発達的変化

研究課題

研究課題/領域番号 14510122
研究機関筑波大学

研究代表者

太田 信夫  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80032168)

キーワード記憶高進 / 忘却 / 生涯発達
研究概要

記憶高進(Hypermnesia)とは、再学習や正答のフィードバックの機会なしに、テストを繰り返したとき、記憶成績の向上がみられる現象のことである。忘れていた学習を思い出すReminiscenceと憶えていた学習項目を忘れてしまうForgettingと呼ばれる2つの下位過程から成っている。そしてReminiscenceがForgettingを上回れば、記憶高進が認められたことになる。
昨年度は潜在記憶に焦点を当て、remember/know手続きを用いたが、本年度は顕在記憶に焦点を当て、4つの実験を行った。有意味・無意味の線画よりなる標準ドル-ドル課題を用いた。その線画のランダムなペアを記憶材料として提示し、再認テスト及び再生テストを行った。その際、そのドル-ドルに言語ラベルをつける条件及びつけない条件で実験を行った。すなわち無関連ペアドル-ドル課題を用いて、テストを3回繰り返す記憶高進実験を再認形式と再生形式で実施した。その結果、記憶材料に統合性(Gestalt)のない場合、絵画課題を用いても記憶高進は生起しないことが示された。統合性の程度は、ドル-ドルのペア全体として表されるものである。また、この統合性の無さに関する質の相違によって、記憶高進の生起しない原因も相違することが、明らかになった。
記憶高進には、記憶材料のイメージ性が重要であるということは、これまでの研究で明らかになっているが、本研究ではさらに統合性も重要な役割を果たしていることが新たな知見となった。さらにここでは、エラー得点などの分析により言語ラベルの有無も記憶高進の生起に関与していることも判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 無関連ペアドル-ドル課題を用いた再認と再生の記憶高進の検討2004

    • 著者名/発表者名
      林美都子, 宇根優子, 太田信夫
    • 雑誌名

      筑波大学心理学研究 28号

      ページ: 15-29

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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