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2003 年度 実績報告書

精神分裂病患者における記憶障害のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 14510128
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

松井 三枝  富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (70209485)

研究分担者 野口 京  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (10242497)
川崎 康弘  富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80242519)
住吉 太幹  富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80286062)
キーワード統合失調症(精神分裂病) / 記憶障害 / 記憶の体制化 / 前頭葉 / スキーマ / 意味記憶 / 脳磁気共鳴画像 / 神経心理機能
研究概要

本研究では分裂病(統合失調症)患者の記憶体制化についての採点法を開発し検討することを第1の目的とした。第2に、記憶検査を含む神経心理検査バッテリーを施行し、記憶機能と神経心理学的機能との関連の有無を検討した。第3に、記憶の体制化と意味記憶の障害の神経基盤を検討するために、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging:MRI)による脳形態学的特徴と記憶成績の関連を検討した。
統合失調症および健常者に神経心理検査(日本版ウエクスラー記憶検査、ウエクスラー知能検査、単語学習検査、語流暢性検査、カード分類検査および情報探索課題)を行った。また、研究への同意を得、協力可能な統合失調症患者にMRI撮像を行なった。
解析方法として、第1に記憶体制化の採点法を開発し、それによる検討を行った。このために日本版ウエクスラー記憶検査の中の論理的記憶(物語記憶)と単語学習検査の2種を用いた。物語記憶体制化については信頼性を高めるための基準を作成し、最終的に独立して2名が採点した結果、十分な信頼性が認められた。その上で統合失調症患者と健常者との比較検討を行った結果、統合失調症患者では健常者よりも意味連続性得点が低かった。また、単語学習検査からは、統合失調症患者の方が、健常者より、意味体制化得点が良くないことが確認された。第2に神経心理学的機能と各記憶機能の関連の検討を行った結果、健常者では論理的記憶と語流暢性の関連が強かった。一方、統合失調症患者では単語記憶学習と論理的記憶との関連があるが、語流暢性とそれらは関連が弱く、異なる記憶構造が見出された。第3に統合失調症患者のMRI画像から関心領域(前頭葉、海馬、海馬傍回、および内包)の局所脳体積を測定し、記憶得点と局所脳体積の関連の検討を行った結果、主観的体制化得点と前頭葉体積との関連があった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 松井三枝: "統合失調症と記憶"精神医学. 45・12. 1254-1262 (2003)

  • [文献書誌] Matsui M et al.: "Neuropsychological profile in patients with schizotypal personality disorder or schizophrenia"Psychological Reports. 94. 378-397 (2004)

  • [文献書誌] 松井三枝: "新世紀の精神科治療第6巻「認知の科学と臨床」の中の「統合失調症における認知障害」"中山書店. 12 (2003)

  • [文献書誌] 松井三枝: "「統合失調症の臨床心理学」の中の「記憶と神経心理学からのアプローチ」"東京大学出版会. 23 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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