研究概要 |
(1)AD/HD児に対する教師の態度測定尺度の開発について:60名の小・中学校教師及び幼稚園教師を対象に,AD/HD児の種々の学級行動に対する態度が自由記述によって測定された。これらの記述内容を,KJ法的な手続きを採用し,整理し対AD/HD児態度測定原・尺度(48項目)が作成された。教師の態度測定尺度をます開発したのは,教師の態度がAD/HD児をとりまく幼児・児童に影響する可能性があること,そして,そのような態度がどのようであるかによって,教師の支援行動の質が規定されると考えたからであった。 (2)教師によるAD/HD児の学校適応支援測定尺度の作成:当尺度の作成にあたり2つの方法によって資料の収集がなされた。ひとつは実際にAD/HDと診断された幼児・児童を担任した教師7名と小学校長2名に面接を実施し,その内容を整理することであった。他は,幼児教育機関及び小学校の保育士・教諭40名に質問紙を配布し,AD/HD児の学校適応の支援の方途が尋ねられた。その結果,児童の学年によっても対応が異なることなどが明らかとなった。これらに基づいて,AD/HD児の学級支援測定尺度が作成された。 (3)AD/HD児の教育環境における行動の観察:保護者ならびに学校の了承を得たうえで,幼稚園児と小学校6年生の学習場面及び自由遊び場面での行動観察が実施された。
|