研究課題/領域番号 |
14510144
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
神山 貴弥 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (00263658)
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研究分担者 |
高橋 超 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (80033554)
石井 眞治 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60112158)
森 敏昭 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10110834)
井上 弥 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10201336)
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キーワード | 異校種交流 / 異年齢交流 / 幼稚園児・小学生 / 環境移行 / 環境適応 |
研究概要 |
本年度は、小学生と幼稚園児の年間を通じての交流活動の結果、そうした交流活動を経験した園児が小学校に入学後、どのような環境適応を示すかに焦点をあて、その検討を行った。【方法】調査対象者:H16年度新1年生80名(交流経験群62名、未経験群18名)およびその児童保護者。交流経験群の児童は、前年度に小学4年生と年間を通じて4回の交流経験をしており、その小学生が在籍する小学校(幼稚園と同じ敷地内)に進学した者であった。調査内容および方法:新1年生には、1)学校適応に関する項目(2項目、4段階評定)と2)上級生に対するイメージ(5項目、3件法)、児童保護者には、1)子どもの学校適応に関する項目(2項目、4段階評定)と2)子どもの入学後の様子(自由記述回答)について、4月下旬と5月下旬の2回にわたって回答を求めた。なお、新1年生の回答はすべて保護者の聞き取りによる。【結果及び考察】交流経験の有無によって、入学時の適応状態に違いが見られるかどうか検討を行った結果、児童自身には有意な差はみられなかったが、児童保護者においては「児童の学校適応」を測定した1項目で統計的有意差が見られ、交流経験群の方が未経験群よりも楽しく登校できていることが示された。また、児童の入学後の様子についての自由記述においても、交流のおかげで、小学校に対し親しみと憧れを持てたというような記述が多数あり、事前の交流が入学後の環境適応に関して、有用な効果をもつことが示唆された。これらの結果から、園児の小学校への環境移行においても、異校種交流がその一助となることが示され、異校種交流のもつ多様な教育的効果の一つが明らかになった。
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