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2003 年度 実績報告書

発達障害児の心の理解の発達とその障害に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510149
研究機関愛媛大学

研究代表者

花熊 曉  愛媛大学, 教育学部, 教授 (60172946)

研究分担者 吉松 靖文  愛媛大学, 教育学部, 助教授 (50243861)
キーワード心の理解 / 心の理論 / 自閉性障害 / 広汎性発達障害
研究概要

小・中学校期の高機能広汎性発達障害(以下,高機能PDD)児11名の心の理解について分析を行った。高機能PDD児は1次の誤信念課題(Baron-Cohenら,1985等)は通過した。「見る」-「知る」関係を正しく理解し,課題中の物語の登場人物の行動を正しく予測した。さらに,ほとんどの子どもが登場人物の行動予測の理由を正しく言及していた。しかし,1名だけ正しく言及できないものがいた。これまで,多くの研究が1次の誤信念課題についてなされてきたが,被験者の回答の質的分析はあまりなされてきていない。本研究から,被験者の回答の質的な分析の必要性が明らかとなった。また,Happe (1994)の心の理解課題(比喩・嘘・配慮・冗談・皮肉)についても,多くの子どもが課題中の物語の登場人物の言動の真偽を正しく判断できた。しかし,その真偽の判断は,事実と言動が異なっていることのみに言及したものが多かった。事実と言動が異なっている理由についての回答も小学校1-3年生の健常児の結果(花熊ら,2002)とは異なり,登場人物の心情を正しく推論できた者は中学生の1名のみであった。登場人物の言動の真偽の判断における健常児との違いが,発達的未熟性によるものか,高機能PDDに特異的なもであるかは,今回の研究では明かではない。しかし,多くの者が登場人物の言動の真偽を正しく判断できる一方で,判断の理由を心的なものに帰属できなかったり,誤って帰属することが高機能PDD児の社会適応の困難と関連していると思われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 吉井秀樹, 吉松靖文: "年長自閉性障害児の自己理解,他者理解,感情理解の関連性に関する研究"特殊教育学研究. 41・2. 217-226 (2003)

  • [文献書誌] 吉松靖文, 今川祐次, 矢野道子, 加藤承子: "思春期自閉性障害児における社会的行動と心の理解の発達 -劇活動の適用を通して-"愛媛大学教育学部障害児教育研究室研究紀要. 26. 111-117 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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