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2002 年度 実績報告書

社会・文化的視点に立った聴覚障害児・者の心理査定に関する実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510161
研究機関札幌学院大学

研究代表者

滝沢 広忠  札幌学院大学, 人文学部, 教授 (40118112)

研究分担者 河崎 佳子  佛教大学, 教育学部, 助教授 (70234119)
鳥越 隆士  兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10183881)
キーワード聴覚障害児・者 / 心理検査 / 聾学校 / 身体障害者更生相談所 / 精神病院 / コミュニケーション方法
研究概要

平成14年度は聴覚障害児・者に心理検査を実施していると思われる医療、福祉、心理、教育機関を対象に実態調査を行った。具体的には、北海道内のすべての聾学校、全国の身体障害者更生相談所(回収率74%)、および聴覚障害心理臨床に携わっている心理士のいる精神病院である。
聾学校で使用頻度の高い心理検査は、読書力検査、S-M社会生活能力検査など、言語能力と社会適応力を見るものが中心であった。ウェックスラー式知能検査も比較的使用されているが、性格検査はほとんど使われていない。更生相談所においては、知能検査ではWAIS-Rがよく使用されており(93.4%)、その他コース立方体、田中ビネーなども使われていた。また質問紙法、バウムテスト、人物画も使用されているが、ロールシャッハ・テストはあまり使用されていない。精神病院を対象とした調査は回収率が悪く、それほど心理検査を実施していないのが現状ではないかと推測された。回答のあった病院には手話が堪能な心理士がおり、ロールシャッハ・テストなど高度な技術を必要とするパーソナリティ検査も実施していた。
いずれにしても、聴覚障害者とのコミュニケーション方法に苦慮しており、施行法も対象者にあわせて口話、手話、身振り、筆談あるいは文字カードを利用するなど、それぞれの機関で工夫がみられた。現実には、言語性検査はむずかしく、動作性の検査が中心となり、その結果をもとに全体の能力を推定する傾向がうかがえた。
今回の調査で明らかにされた心理検査は、健聴児・者用に標準化されたものであり、聴覚障害者にそのまま適用してよいのかどうかは疑問が残る。今後の課題として、聴覚障害者に使用可能な視覚や動作を主とした心理検査の開発が必要だろう。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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