研究課題/領域番号 |
14510162
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研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
荒井 龍弥 仙台大学, 体育学部, 助教授 (60254819)
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研究分担者 |
工藤 与志文 札幌学院大学, 人文学部, 助教授 (20231293)
斎藤 裕 県立新潟女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (90215567)
宇野 忍 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30004120)
舛田 弘子 札幌学院大学, 人文学部, 助教授 (40289731)
白井 秀明 東北福祉大学, 総合福祉学部, 講師 (50281291)
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キーワード | 誤概念 / ル・バー / 素朴概念 / 概念バグ / 保存課題 / 科学教育 |
研究概要 |
従来、主として小学生を対象として報告されていた誤った知識もしくは誤概念に関する大学生の知識状況を知るため、6領域を選定し各種の調査課題を作成し調査を実施した。以下に選定した6領域の内容および小学生がしばしば示す誤り(括弧内)を示す。 1速さの保存(距離または時間のみを変えた問題状況で速さが異なるとする) 2運動物体の質量保存(物体の衝突事態では速度が大きいほど質量が重い、衝突事態以外では速度が大きいほど質量が軽くなるとする) 3密度の保存(体積または質量のみを変えた問題状況で密度が異なるとする) 4面積(周長が大きい図形ほど面積が大きい、または周長が等しい図形は面積が等しいとする) 5動物概念(動物の定義に毛の有無や声の有無等の不適切属性が加わり、結果として縮小過剰型誤概念となっている) 6種子植物(植物の生殖器官として花を考えておらず、花と実または種子の関係がついていない) 調査は6大学の文系学部を中心とし、領域ごとに実施した。1領域あたり580〜730名、のべ3939名のデータが得られた。 この結果、上記領域番号2,4については、小学生と同様の誤った回答を行う大学生が半数程度見られた。また、領域5,6については誤った回答を行う割合は小学生とほぼ同等であった。一方、領域1,3については小学生と同様の誤りぶりをみせる大学生は殆ど見られなかった。回答した大学生が小学生時点でどのような状況であったかは明らかではないが、先行研究と併せて横断的に見た場合、小学生以降の学習によって修正される知識領域もある一方で、大学生でも小学生と同様の誤りを保持し続けている領域もあることが示唆された。
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