研究概要 |
研究目的-今年度は昨年度研究した日本語と英語の音韻認識能力の関連性についての研究に加え、年齢の高い子どもを対象に英語の音韻識別能力と英語の読み能力の関連性について研究した。昨年度の研究から「第一言語(日本語)における音韻識別能力が第二言語(英語)の音韻識別能力の発達に影響を及ぼしている」ことが判明したので、今年度はその追従研究とともにReading能力に関しては、「英語の音韻識別能力と英語のReading能力に関連性がある」という仮説を検証した。 研究方法-音韻識別能力に関する日本語と英語のテストは前年度の研究と同じ手順で行なった。英語の音韻識別能力と英語のReading能力に関する研究では、小学校6年生とPhonicsが導入されている中学校1年生(222名)を対象に行なった。研究参加者は研究代表者が製作した音韻能力を測る2種類のテストとReading能力を測る3種類のテストを受けた。 研究結果-英語の音韻識別能力が英語のReading能力に対して影響を及ぼすというモデルを構築し、structural cquation modclingの使用を試みた。その結果、このモデルは自由度22でx^2係数が39.65、Bentler-Bonett Normed Index.94,およびComparative Fit Index.97でありplausible modelということができた。英単語の初めの音を聞き分ける能力のReading能力への標準偏回帰係数は.28であり、英単語の後の音を聞き分ける能力とReading能力への標準偏同帰係数は.15であった。 研究発表-以上の結果を平成15年10月23日に行なわれたWales大学Bangor校の心理学研究室でのlecture seriesにおいてguest speakerとして発表した。
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