研究概要 |
本研究は、子どもの発達への親の影響についての理論の中で近年注目されている‘世代間伝達仮説'を検討することを目的とした幼児期から小学2年生までの縦断研究である.調査対象は,3歳から人間関係の発達とその関連要因とを追跡している幼児85名とその両親である.17年度は,(1)17年4月に小学校に入学した子どもと両親,(2)17年度に2年生に進級した子どもと両親の調査を実施し,(3)3歳から2年生までの調査結果の分析作業をした.この結果,調査はあと7名の2年生(18年4月に進級)を残すだけになった. 17年度の成果としては,(1)本研究の理論的基盤としての愛着理論と測定法について検討した.その一部を英文で発表し(Toward a life span theory of close relationships : The affective relationships model),また,愛着の測定のセミナーに参加し,測定について理解を深めるとともに,愛着の研究者と意見を交換した,(2)本研究の中心的なメジャーのひとつである幼児の愛着の測定(Doll Playによる)の分析について本大学院生を訓練し,この学生が開発者であるDr.C.Georgeに分析者として公式に認定された.これによってこのメジャーの信頼性をたしかめることができるようになった(このDoll Playの日本での妥当性についての論文を本大学院生がまとめ,『教育心理学研究』に採択された),(3)3〜8歳の資料の分析を進め,一部は学会で発表をした.
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