研究課題
基盤研究(C)
生後9か月から30か月児とその母親を対象に、子どものジョイント・アテンション(以下、JAと表記する)行動の観察実験を行った。参加者数は、実数で138組、延べ観察回数で380回であった。今回の分析は各組の初回観察時のものを対象にした。観察場面は、叙述場面として「鯨の縫いぐるみ」「鳥の鳴き声」、要請場面「あれが欲しいよ」「助けをもとめる」、交流場面「音楽ごっこ」「順番ごっこ」、会話場面「思い出」「これから」、さらに本研究の途中から「額押し模倣」場面を追加し計9場面であった。各場面は5分ほど要し、全場面がビデオテープに録画された。各場面に適切な行動コードを作成し、観察者間信頼性を確認のうえ、ビデオテープから行動分析を行った。次に主たる研究知見を記述する。1.視覚刺激(「鯨」の縫いぐるみ)へ母親の注意を誘導するJA行動は、生後15か月から活発化し、21か月以降にはシンボルも加わった。2.聴覚刺激(鳥の鳴き声)への誘導的JA行動の出現は、視覚刺激より6か月程度遅くなった。3.「鯨」に無視した母親がそれに気づき、子どもと共有しようとしても、9か月児の「鯨」を見る時間は短くなったが、12か月以上の子どもは「鯨」を見る時間が長くなった。4.会話場面では「不在対象」に対する表象水準の行動が分析され、「過去」場面のほうが「未来」場面より表象的JAの出現が早かった。5.額押し行動に対する模倣行動(抗アフォーダンス模倣)は、生後15か月の口押し模倣から、21か月以降の額押し模倣へと発達した。6.子どもが抱かれた状態で母親とJAすることが上達するのは、生後12か月以降であった。7.「鯨」場面でのポジティブな情動は、母親が「鯨」を無視する場面で生じやすいが、ネガティブな情動は「母親」が「鯨」に気づいた場面で生じやすかった。
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バイオメカニズム学会誌 29
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日本赤ちゃん学会第4回学術集会プログラム抄録集
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日本発達心理学会第16回大会発表論文集
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Proceedings of 4^<th> Congress of the Japanese Society of Infants Study 36
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日本発達心理学会第14回大会発表論文集
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日本赤ちゃん学会第2回学術集会プログラム抄録集
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Proceedings of 2^<nd> Congress of the Japanese Society of Infants Study 65
小児保健研究 (印刷中)
Journal of Child Health (in press)