我々は、従来の欧米からの移入ではない日本の社会に適合するソーシャルワークのコミュニケーション・スキルの開発を目指し、研究を進めてきた。研究最終年度(3年目)の本年度は、年度当初の計画をふまえ、以下の研究を実施し、成果をあげた。 1 前年度に実施した欧米風のソーシャルワークにおけるコミュニケーションについてのアンケート調査の結果と、日本の社会福祉実践現場の新人とベテラン職員の利用者とのコミュニケーション場面についての調査結果を総括し、それを北本(研究代表者)が日本社会福祉実践理論学会第21回大会(北星学園大学)において、「ソーシャルワーク・コミュニケーションに関する研究と分析-日米の比較と新人・ベテランの比較を中心に-」と題して発表した。 また、それにさらに比較文化的な視点を加え、その上でわが国におけるソーシャルワークの教育のあり方について分析・考察した内容を、北本と綾部(共同研究者)が国際社会福祉会議(Grobal Social Work Congress 2004、アデレード)において、Social Work Communication in Japan : Practices and Educational Goalと題して発表した。 2 ソーシャルワークにおけるコミュニケーションの援助者の展開の仕方やその傾向について、これまでに検証できなかった援助者のコミュニケーションに対する利用者の反応を含めて、調査を実施し、分析・考察をした。その研究成果については、裏面に記載した城西国際大学大学院紀要に発表している。 3 3年間の研究成果をまとめた研究成果報告書を印刷中である。
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