研究課題/領域番号 |
14510231
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
松戸 庸子 南山大学, 外国語学部, 教授 (30183106)
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研究分担者 |
松戸 武彦 南山大学, 総合政策学部, 教授 (10165839)
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キーワード | 改革開放政策 / 頂替制度 / 社会保障制度改革 / グローバリズム / 段階的地域開発戦略 / 国有企業改革 / 家族戦略 / 社会移動 |
研究概要 |
(1)当初の計画と実施状況:研究の第2年日に当たる今年の課題は、中国現地での勤労者を対象とするアンケート調査と、その結果を踏まえてのインタビュー調査を実施することであった。アンケート調査に関しては、現地で最も信頼のおける調査会社に業務を委託して、日本側で準備した調査票を使って、2都市で合計1262票(北京市613票、西安市649票)の回答を回収することができた。インタビューについては、サンプル抽出上の制約や、政治的社会的な理由(特に西安での対日感情の悪化)により実施を見送った。インテンシヴな聞き取り調査に関しては、第3年目に当たる来年度の課題としたい。 (2)アンケート分析結果:家族生活と労働生活、社会保障制度、改革開放政策を中心とした社会発展に対する意識等の面で、北京と西安との地域的な差異が鮮明になった。それは、一面では産業化や市場経済化の進展のスピードの違いから説明できる。 また、今回得られたデータを過去(1995年と2000年)の調査データと比較すると、特に90年代の後半にドラスティックな国有企業改革が進み、この時期の目まぐるしい社会変動が、その後の意識の保守化(例えば開放的な労働市場の形成等への消極的意識の増大などに見られる)を生み出したのではないかと解釈される。こうした分析結果については論文の執筆中である。
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