研究課題/領域番号 |
14510235
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
加藤 薗子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70066413)
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研究分担者 |
藤松 素子 佛教大学, 社会学部, 助教授 (40261721)
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キーワード | 社会福祉基礎構造改革 / コントローラー / インスペクター / オンブズマン / 要介護高齢者 / 人権擁護の担い手 / 人権擁護と公的責任 / 民営化と行政責任 |
研究概要 |
「社会福祉基礎構造改革」のもとでの新しい社会福祉システムから取り残される可能性が高い痴呆性高齢者など、「判断能力が不十分」とされる人々の人権擁護を目的とする「地域福祉権利擁護事業」がその本来的機能を果たすためにはいかなる取り組みが必要であるのか、21世紀日本におけるこの重要な福祉課題・政策課題を検討するとき、わが国と同様に90年代福祉改革のもとで社会福祉の規制緩和・新しい福祉システムの模索に取り組んでいるスウェーデンの「実験」に学び、その「人権擁護システム」の理念・現状・直面する課題を明らかにし教訓をひきだすことは重要な意味をもっと考える。 本年度は、本調査研究の最終年度である二年目になるが、昨年度に引き続きスウェーデンにおける「高齢者人権擁護システムのしくみと実情」をテーマに現地調査を実施した。具体的には、socialstyrelsenの保健サービス担当者および高齢者統計部門担当者に面接し、90年代スウェーデンにおける社会福祉改革の背景と高齢者に対する人権擁護への取り組みの強化、具体的には「コントローラー」「インスペクター」といわれる高齢者処遇の実施状況をチェックする機能を付与された「専門職」の増強に取り組んだ背景、その必要性の根拠、その実践状況などについて明らかにするための聞き取り及び資料収集を行った。そして基礎自治体の具体例として昨年に引き続きソーレンチューナ・.コミューンを事例として検討したが、その取り組みが社会福祉の多元化が進むなかでの「公的責任・行政責任」の具体化とその実践という位置づけ・性格を特徴とすることが浮き彫りにされた。
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