研究課題/領域番号 |
14510239
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
埋橋 玲子 神戸女子大学, 文学部・社会福祉学部, 助教授 (50269924)
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研究分担者 |
泉 千勢 大阪府立大学, 社会福祉学部, 教授 (10071218)
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キーワード | 保育の質 / 評価 / イギリス / スウェーデン / ヨーロッパ / アメリカ / ECERS / ETERS |
研究概要 |
1.埋橋は平成14年度に引き続き、アメリカで開発された保育環境評価スケール「ECERS」「ITERS」について、その評価システムの実態を研究するために日本の保育実践現場で実際に保育の質評価を試みた。また日本での普及を図るために両スケールの翻訳(2編)を発行した。また、アセッサーとしての信頼性を高めるために現地での評価者養成講習会に参加した。これらを通じ、日本においても利用の可能性が示された。 2.埋橋は、海外で翻訳され文化的に異なる背景での「ECERS」の使用の有効性を調査するためにイギリスとスウェーデンを訪問し、どのように利用されているかについて関係する研究者を訪問し聞き取りを行った。イギリスではECERSに含まれていない項目によって構成された増補版により、イギリスの実情に応じた評価方法を開発していた。スウェーデンでは研究者による保育評価、また現場の保育者の研修に用いられていた。 4.埋橋はスウェーデンとイギリスの保育機関および行政機関を訪問し、保育の質を向上するための具体的な実践として行われていることについて聞き取り調査を行った。その結果、両国の社会的背景が質的向上のためにとる方法の相違を生んでいることと、共通の背景として財源の効率的な運用という課題があることが理解された。 5.埋橋は、EC保育ネットワークプロジェクト(1986-1996)では「保育の質」についてどのように考え、保育の質向上に向けての国際間協力がどのように行われていたかについての文献調査を行った。その結果国際比較というアプローチが一国の保育の質的向上に当たっても有効な手段であることが明らかになった。 6.泉は、ヨーロッパとスウェーデンで、保育の質がどのように考えられているのか、また、保育の質が高いことで定評のあるスウェーデンにおいて、実際にどのような「質」評価方法が用いられているのかを中心に研究した。訪問先は、コミューンの保育担当課、保育実践現場、大学と、多様な機関を対象とし、それぞれインタビューを中心に情報収集を試みた。保育実践現場では2日間の終日訪問で保育体験実習の形態を取り入れた。 7.泉はEUの「保育の質」に関して資料を紹介した。
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