平成14年度に実施した行政機関(児童相談所・身体障害者更生相談所・知的障害者更生相談所)のソーシャルワーカー、および、老人保健施設・在宅介護支援センターのソーシャルワーカーに対して行ったソーシャルワーカーの専門職性評価尺度の妥当性を問う調査を、さまざまな角度から分析した。そして、それらを、第23回日本医療社会事業学会(2003年5月16日:「専門職性評価における職種間の比較」)、第13回日本医療社会福祉学会(2003年9月28日:「福祉相談機関におけるソーシャルワーカーの専門職性認知傾向」)、第51回日本社会福祉学会(2003年10月13日:「Social Work Proficiency Inventory(試案)」)の3回の学会において、口頭発表を行った。報告の場で得られた専門家からの意見なども参考にし、また現場で高い専門職性を有して働いているソーシャルワーカーの方からの専門的知識の提供等も受けた。そして、「ソーシャルワーク専門職性評価尺度-Social Work Proficiency Inventory」と題する著書を出版し、完成した尺度とその用い方について詳細に記し、相川書房より公刊した。また同時に、「自己評価シート」も作成することができた。これらは、現場の多くのソーシャルワーカーの方々の現任訓練や研修などの場で役立つと共に、広く社会福祉援助技術(ソーシャルワーク)を学ぶ多くの学生・研究者・実践家の方々のための参考図書としても大いに資するものとなるはずである。 この科学研究を通して開発した尺度を、今後多くの方々に使用してもらうことを通して、より精度の高いものとしていきたいと考えている。
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