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2002 年度 実績報告書

季節労働の供給変化と労働力送出地域社会の構造変動に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510248
研究機関秋田桂城短期大学

研究代表者

石川 雅典  秋田桂城短期大学, 地域社会学科, 助教授 (90289752)

研究分担者 小野澤 章子  岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (30291850)
キーワード季節労働 / 地域社会 / 雇用保険短期特例制度 / 沿岸漁業 / 出稼ぎ / 北海道
研究概要

北海道における雇用・労働のひとつの大きな特徴である季節労働は、雇用保険短期特例関係の資料によれば今日でもなお全道で年間約18万人の就労者を数えるものの、1980年のピーク時(年間30万人)以降は減少傾向が続いている。本プロジェクトは、季節労働の供給減少を規定する要因と過程などを北海道内の沿岸漁業地域に焦点を絞って追究しようとするものであり、3年計画の初年度にあたる今年度は、道内の主要な沿岸部における関係機関などでヒアリング調査と資料収集を行ってきた。
平成14年度のプロジェクトによるヒアリング調査・資料分析を通じて分かったことは、(1)季節労働の中核産業である建設業では、技術や資格を重視する傾向に加え、1990年代後半以降、公共事業の縮減が続く中で採用条件がいよいよ厳格化し、高齢就労者を中心に従前通りの季節就労がかなり難しくなってきていること、ことに公共事業への依存度が高い道内ではこの傾向が強いとみられること、そして(2)調査対象となった道南の沿岸漁業地域においては、漁業後継者不足が地元漁協の存続を揺るがす事態に至っていて、漁業以外の雇用機会が稀少な地域において漁業も季節労働・出稼ぎも選択しない若者が目立つこと、およびその若者が出身地から流出していく現象が持続的に進行していること、さらに(3)季節労働・出稼ぎを続ける中で、一部の人が生活拠点を就労先へと移していくこと、である。これらの直接的な要因が重なって季節労働・出稼ぎの供給が減少するとともに、対象の沿岸漁業地域においては人口減少と高齢化が一段と進行している。
15年度は、これらのファインディングス相互間の関連性やマクロな社会潮流との関連性を追究するため、道南の沿岸漁業地域においてさらに踏み込んだヒアリング調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 石川 雅典: "北海道における季節労働の動向と課題〜1995年以降を中心に〜"秋田桂城短期大学地域総合研究所『研究所報』. 第6号. 1-9 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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