野宿者(路上生活者)の自立支援システムの視点で、東京23区・東京都、神奈川県横浜市、川崎市、大阪府・大阪市、愛知県名古屋市の動向を調査、それぞれの自治体が取り組んでいる実態を調査した。また、それぞれの自治体の独自性・特徴を把握した。 自治体調査を踏まえて、野宿者(路上生活者)自立するうえでのステップアップシステムがどのように構成され、どのように機能するかを検討した。 各都市のNPO、自立支援施設事業者、支援団体を調査し、野宿者(路上生活者)の自立支援にどのような役割を果たしているかを検討した。東京都内においては、懸案の民間の宿泊所を訪問調査し、施設のかかえている問題点、入所者にとってのメリット・デメリットなどを比較考察した。 以上のほか、野宿者(路上生活者)の調査を継続し、野宿者である当事者にとって、緊急施設や中間施設はどのような意味をもっているのか、また自立に関してどのような展望をもっているのか検討した。 また、現に自立生活を継続している元野宿者にとって、現在の生活はどのようなもので、どのような継続的な支援を必要としているかを、事例研究した。 こうした成果のもとに、中央、都道府県、基礎的自治体がどのように連携し、また行政と民間、市民団体や各種事業者がどのように連携し、パートナーシップを構築することが望ましいかを検討した。 こうした中で、ソーシャルインクルージョンという視点で、野宿者が社会の中に受け入れられていくためには、社会の中に、官民のソーシャルワーカーを配置することが重要である点を再確認した。
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