研究課題/領域番号 |
14510254
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山岸 みどり 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (20211625)
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研究分担者 |
西森 敏之 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (50004487)
小笠原 正明 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (60001343)
阿部 和厚 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (10001869)
鈴木 誠 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 助教授 (60322856)
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 助教授 (00157025)
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キーワード | ポートフォリオ / ティーチング・ポートフォリオ / テニュア・ポートフォリオ / プロフェッショナル・ポートフォリオ / 教員評価 / パフォーマンス評価 / 多面的評価 / 学習成果 |
研究概要 |
ポートフォリオは、もともと芸術家、デザイナー、建築家などが、顧客に売り込むために,自信作のサンプルをいれて持ち歩いたファイルのことであるが、1980年代の中ごろにカナダの大学で教育活動を評価するために用いられるようになり、1990年代になって、米国の大学、高校に広がった(E-Khawas,1995)。ポートフォリオは、教育過程に注目し、授業目的に密接にリンクさせた評価が可能であり、「アカウンタビリティ時代」に急速に広まったパフォーマンスやコンピテンシーに注目する新しい学習成果の評価手法の一種である。 今年度は、米国の高等教育におけるポートフォリオ活用の現状把握と具体的な事例収集を目的に、文献調査及び米国における聞き取り調査を実施した。その結果、学習成果の評価に用いられる「コース・ポートフォリオ」や「秀作ポートフォリオ」、教員評価や教育実習・大学院生の研修などでは「ティーチング・ポートフォリオ」、教員の業績評価では「テニュア・ポートフォリオ」や「プロフェショナル・ポートフォリオ」、キャリア開発や職能評価では「キャリア・ポートフォリオ」など作成の目的の異なる多様なポートフォリオの事例を収集することができた。最近、国による教員養成学部の認定(組織評価)や全米教員資格認定などにおいても提出様式の一つとして用いられるようになったこともわかった。ポートフォリオ評価は多面的な総合評価方法として優れた方法であるが、有効に活用するためには、作成者の負担感(時間と努力)の軽減と評価目的の明瞭性を高めるためのシステムづくりが不可欠であることが示唆された。
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