平成17年度の研究実績 今年度は、以下のような調査を行った。 第一に、京田辺シュタイナー学校において「エポック授業」を担当するという仕方で、参与観察を行った。実際に授業を担当し、また保護者たちの回に参加する中で、生徒、教師、保護者たちから、聞き取り調査を行うことができた。これは、今後の研究にとって大きな布石となる貴重な調査となった。 第二に、インドネシア・バリ島におけるホリスティック国際会議に出席し、シュタイナー教育とホリスティック教育の関連について、各国の識者から聞き取り調査を行うことができた。 第三に、日本各地のシュタイナー学校・幼稚園を訪問し、たとえば、新潟青陵幼稚園において保護者たちの集いにおいて聞き取り調査を行い、学校法人シュタイナー学園においては評議員として学校関係者から話を聞き、更に、北海道伊達市「ひびきの村」を訪問調査することもできた。 第四に、ホノルル、ミュンヘンなどのシュタイナー学校とは、情報提供者の側の都合により、予定していた調査が実施できなかったが、その出身者との連絡は継続しており、今後の聞き取り調査は継続可能である。 第五に、理論的な考察を積み重ねた。とりわけ「霊性」をめぐる理論地平との兼ね合いに関して検討を進め、「からだ・いのち・無のはたらき」としてその一部の成果をまとめた。現代社会におけるスピリチュアリティの問題として、シュタイナー教育を問う視点が明確になった。
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