研究課題
基盤研究(C)
本研究は、戦前期において東京市街地に設立された公立小学校の文書史料にもとづいて、現代への「転形」期としての1920年代頃におきた社会の変化と小学校の新たな重層的な再編成の過程を辿ろうというものである。その方法上の最大の特徴は、これまで未開拓であった小学校史料を調査、収集してそれに基づいて実証的に研究を進めることである。したがって、まず小学校所蔵文書調査・撮影が本研究の軸となった。市街地の小学校は近年の都市化のなかで急速に統廃合が進んでいる。現存の学校の由来を明らかにし、大変忙しい小学校に協力をお願いすることから始まった。文書の廃棄は予想以上に進行しており、ようやく最後の年度に大量の史料を所蔵する学校に出会えた。また各校に少しずつ残っている文書を集成することによっても、何らかの問題を析出できると思われるが、それには目録づくりが欠かせない作業となり、これにも多くの時間を割いた。この調査で収集した史料のタイトルは1676件、画像は105GBになる。なお上記過程において、1920年以前の学校をめぐる地域の階層的状態を示す史料がみつかり、それをまとめた研究論文を研究協力者との共同執筆という形でまとめた。報告書には史料目録とこの研究論文をまとめた。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
東京大学大学院教育学研究科教育学研究室紀要 30
ページ: 97-105
BULLETIN OF HISTORY AND PHILOSOPHY OF EDUCATION GRADUATE SCHOOL OF EDUCATION, THE UNIVERSITY OF TOKYO vol.30