研究概要 |
(1)重度の発達障害障害をもつ青年、成人期のQOLに関する実態を明らかにするために、作業所に通う人を対象に調査した。回答は保護者と職員にお願いし、家庭、作業所、地域での生活の実態、保護者と職員の要望等も検討した。また、この期のQOLを検討するための基本的な視点についても検討した。 (2)青年、成人期の重度の発達障害者の作業所での仕事や生活、人との関係等をもとに、この時期の障害をもつ人の暮らしの支援、作業所での仕事等を通しながら発達する姿をケースを基本に明らかにした。重度の発達障害をもつ人にとってのQOLと作業所の役割について実践とむすびつけながら検討した。 (3)話し言葉をもたない障害児について、その状態をどう理解するか、心理学的な観点からの方法の検討をおこなった。また、養護学校に在籍する話し言葉をもたない児童の実態を明らかにし、どのような観点からの支援が必要か検討し、ケースに対する取組を通して考察した。 (4)発達年齢で言えば、3,4歳頃の高等部の知的障害児童を中心に、労働(作業)に関する教育課程の検討をおこなった。将来、福祉的就労に就く障害児童に対する教育課程の課題について、作業所で働く人の実態等を踏まえながら、検討をおこなった。高等部の教育課程について、トランジション教育を中心に、重度の発達障害をもつ人に対する実態を明らかにすべく、アンケートの項目の検討をおこなっている。 (5)QOLに関連して、重度発達障害をもつ人の主体性、自己選択等の重視、尊重が言われているが、このような理念の発達的な理解、具体的な評価方法について、検討をおこなってきている。
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