重度発達障害の児童への養護学校高等部における教育と作業所の実践との接続について、QOLの観点から問題や課題を明らかにするために、文献レビューをおこなうとともに、高等部へのアンケート項目の作成を終了した。文献レビューについては、「QOLからみた高等部教育と作業所実践の「接続」問題とは何か」として、滋賀大学教育学部紀要(2003年)で発表した。さらに、現在、作業所に通所し、発達年齢1、2歳頃にある知的障害者および自閉症者の労働の実態、生活実態について、作業所職員と事例検討をおこなった。作業所職員との共同研究では、行動上の問題の深刻さのために従来の作業所での作業内容や形態・方法では作業に主体的に参加することが困難な利用者に対し、どのような援助上の工夫がなされ、実践が展開してきたかについて、滋賀や大阪の作業所を中心に分析をおこなった。これらの成果については、例えば、「成人期の障害の重い人たちへの実践と発達の課題」として、きょうされん第5回重度・重複実践研究交流会報告集(2003年)で発表した。養護学校高等部については、重度発達障害の児童への教育目標、教育課程、教育内容に関し、滋賀県下の養護学校の分析をおこなった。成果については、現在、まとめている。基礎的研究として、重度発達障害児童・者への自我発達に関する文献を検討した。これも、現在、まとめている。
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