本研究の目的は、関西地域における高等女学校を対象として女学校時代の生活や文化と卒業後の友人関係や活動の実態をとらえることによって、学校経験の共有による社会的ネットワークのもつ意味と機能を明らかにすることである。具体的な調査方法としては、同窓会誌等の資料の収集と分析、質問紙調査、面接調査などを用いた多面的なアプローチをとっている。今年度は、まず地域特性と学校タイプを考慮して調査対象校を選定し、同窓会を通じて記念誌や同窓会誌などの資料を収集し、各女学校の特徴をまとめつつある。また、同窓会長を中心に各高等女学校卒業者に対して、女学校時代の生活や現在の生活や友人関係などについて聞き取り調査を進めている。同時に、高等女学校卒業者を対象とした先行研究と調査を検討し、女学校時代の学校生活、家庭の文化、卒業後の交友関係を柱とした質問紙を作成し、プリテストを行なった。本調査は次年度に行なう予定。
|