研究概要 |
14年度-15年度「研究実績の概要」 本研究の目的は、日本において学校教育を支える施設として学校図書館に関心が高まっていること、および図書館資料の幅が飛躍的に拡大していることを意識し、あらためて学校図書館の資料の構成と提供のあり方を検討すべく、この分野での実践が進んでいるアメリカを例にとって、学校図書館における蔵書構成と学校図書館の目的について裁判を手がかりに検討するものであった。具体的には、以下を研究の目的にした。 1.学校図書館の蔵書にかかわる、裁判事例を網羅的に抽出する。 2.そうした各判例について、事件の経過・論点・判決の結論をまとめる。 3.それらを受けて、判例の流れを整理、分析する。 (1)については、LEXISデータベースを使用して、延べとして17の判決を確定した。(2)については、この17件について、事件の事実、および判旨を時系列にそってまとめた(科研報告書『アメリカにおける学校図書館蔵書をめぐる裁判事例の総合的研究』第1部「学校図書館蔵書をめぐる裁判事件(1),pp.5-49参照)。(3)については、論文として「学校図書館蔵書の除去をめぐる裁判の核心:表現の自由と思想の自由」で全体を諸裁判の全体像を明らかにし、「学校図書館の検閲と生徒の知る権利:チェルシー事件の場合」は個別論文として執筆した(いずれも前掲書、pp.51-72,73-92)。 また学術雑誌への論文の掲載、学会での口頭発表も、行った。
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