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2003 年度 実績報告書

戦後改革期音楽科教育実践史研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510286
研究機関和歌山大学

研究代表者

菅 道子  和歌山大学, 教育学部, 助教授 (70314549)

キーワード戦後教育 / カリキュラム / 音楽科 / 芸能科音楽 / 学習指導要領 / 単元学習 / 占領下 / 教育実践
研究概要

H15年度には戦後初期音楽科教育実践を第一には戦時期からの連続、非連続の関係性、第二には政策理念と教材、授業案レベルとの関係性の把握を分析視点としながら、その歴史像を明らかにすることを課題として作業を進めた。
(1)戦時期から戦後への理念転換の連続、不連続性の関係解明については、芸能科音楽の理念成立について教育審議会での議事録、関係著書などをもとに調査を行い、精神修養、訓練的な意味合いと芸術、技能の意味を付加した訓練科、情操科、修練科、技能科といった名称の議論の中から芸能科音楽が成立した経緯を跡づけ、教科書、実践において統括的な理念として機能していたことを明らかにした。
(2)芸能科音楽の個別の実践については明石女子師範附属小学校・国民学校の研究授業案並びに関係者への聞き取りを通して1930年から1940年後半までの授業構成とカリキュラム編成について検討を行い、1930年代及川平治の影響下で実践されていた児童本意、科学的リサーチを重視したカリキュラム編成から1940年代の国民学校期には、児童本意の原理は後退し、皇国民錬成の目的に統括されたカリキュラム編成、授業構成が組織されていたこと、ただし、綜合学習や合科授業などの試みは、戦後のコア・カリキュラムプランにおける音楽のコア学習への取り入れや劇活動等の学習の布石となるものであったことを明らかにした。
(3)また、芸能科音楽の実際においては、神社やお囃子などを教材とした音の聴取による音感訓練など今日のサウンド・スケープに通じる斬新的な試みがあったこと、また賛美歌的な様式をもつ儀式唱歌の普及徹底など理念と実態の日本的なるもの国民音楽創造の理念のもとで西洋音楽文化の内容が織り込まれていること等の矛盾する要素をもつ実態のあったことを明らかにした。
(4)上記の資料と考察を一部として博士論文作成の作業を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 菅 道子: "国民学校における芸能科音楽のカリキュラム編成"和歌山大学教育学部紀要-教育科学-. 54. 103-126 (2004)

  • [文献書誌] 菅 道子: "戦後改革期音楽科教育実践史研究"H14〜15年度科学研究費補助金研究成果報告書. 1-50 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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