平成15年度において、主にオランダと中国における大学のカリキュラム国際化について訪問調査を行った一方で、日本における複数の大学のカリキュラム国際化の現状に関しても、資料収集と分析を行った。 具体的には、まず、オランダの教育部、アムステルダム大学、ライデン大学とTwente大学に訪問調査を行い、1990年代以来、オランダにおける高等教育国際化の政策変化、特に関連大学におけるカリキュラム国際化の実態及び特色について資料収集したり、インタビューしたりした。また、中国における留学生受け入れ主要大学、例えば北京大学、複旦大学、華中科技大学、武漢大学とアモイ大学などに訪問し、特に留学生に向けてのカリキュラムの開発と複数の大学におけるカリキュラム国際化の進展と動向に関する資料を収集した。この訪問調査に基づいて、昨年度日本高等教育学会において中国における大学カリキュラム国際化に関する一部の研究成果を発表した。さらに、日本における東京大学、京都大学、早稲田大学と広島大学の一部学部・研究科のシラバスと開設科目に関する資料を収集し、日本の大学カリキュラム国際化の特徴などについて分析した。この三カ国における大学カリキュラム国際化に関する資料収集や現地訪問調査を通して、それぞれの国における大学カリキュラム国際化関する日本語による論文を三本完成したほか、歴史的・比較的な視点から、経済などのグローバル化の進展に伴い、三カ国における留学生に向けてのカリキュラムの開発と大学におけるカリキュラム全体の国際化に関する英文論文もできあげた。
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