平成14年度から16年度まで、主に比較的視点から、日本、中国、オランダ、オーストラリア、アメリカとカナダにおける学士・大学院課程カリキュラムの国際化について、研究活動を行った。 研究成果として、まず、グローバル化時代における大学教育の国際化の特徴を明からにし、関連諸国のカリキュラムの国際化の背景を解明したことである。次に、オーストラリア、アメリカとカナダにおける学士・大学院課程カリキュラムの国際化に関する先行研究成果の収集・整理を行い、この三カ国における大学教育カリキュラムの国際化を検討した上で、英語圏諸国の事例研究を進めてきた。一方で、特に非英語圏である日本、中国とオランダに焦点をあてて、先行研究や、訪問調査、インタビューなどを通して、非英語圏諸国における学士・大学院課程カリキュラムの国際化の展開、実態、類型、問題点及び今後の動向を検討した。具体的には、若干の大学の事例に基づいて、日本、中国とオランダにおける学士・大学院課程カリキュラムの履修対象、科目内容、学習形態と担当組織などを分析し、三カ国における学士課程カリキュラムの国際化の現状と問題点を検討した。最後に、比較的視点から、関連諸国における学士・大学院課程カリキュラムの国際化を類型化した。つまり、語学・文化志向型、転換型と学術・専門志向型という三つのモデルをまとめており、それぞれの特徴や生成原因を検討し、現在日本が直面している問題点と今後の対策も指摘した。 三年間の研究に基づいて、中国語、日本語と英語の論文を刊行し、また国際会議や日本高等教育学会大会で関連研究成果も発表した。
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