研究概要 |
平成16年度の研究実績は,大別して,研究成果の学会発表と全体研究会の実施(9月,12月)にわけることができる。前者には,第26回国際教育史学会(ISCHE=International Standing Conference for the History of Education,7/14-17,ジュネーブ)において,Legitimierung der Reformpaedagogik durch die Naturheilkunde -- Ueber Lebensordnungen and "natuerliche" Disziplinierung der Deutschen Landerziehungsheime von Hermann Lietz(山名),A History of the New Education Thought in Britain and Japan : How was current education influenced by the innovators in the Movement and what did it bring to the present?(山崎),教育思想史学会第14回大会(9/18-19,日本大学)シンポジウム(新教育への新しいアプローチの可能性)における,「新教育『運動』のリアリティ-新教育連盟とヴェーニガー」(渡邊)がある。 また,後者では,それぞれの研究成果を交換し議論した。宮本は,進歩主義教育のひとつの中心地ウィネトカにあった大学院を,進歩主義教育の自己反省を含んだ教師教育の実践と捉えて,教育理論の応用について考察した。渡邊は,15年度のドイツ調査において収集した,ドイツ国際教育研究所と労働者青年運動文書館所蔵の資料の分析を通して,ワイマール期に教職が専門分化していく過程について考察した。山名は,全国学校会議の内実について,山崎は,創造性と新教育思想の関係について発表した。 なお,以上を含めた3年間の研究成果を,「ウォシュバーンの教師教育論とウィネトカ教員大学院大学の設置」(宮本),「ワイマール期における教員養成と新教育運動-アルトナ教育アカデミーを中心として-」(渡邊),「新教育時代の教員養成論議-全国学校会議(1920年)における教員養成に関する議論を事例として-(山名),「教員養成とイギリス新教育運動-自律性による『教師の専門職化』の基盤/枠組みの形成-」(山崎)としてまとめた。
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